今回は、当店にご依頼いただいた「制服スカート(学生スカート)」の裾上げの事例をご紹介いたします。

ちなみに「スカートの裾丈を短くする」ことを、洋服お直し業界では「丈詰め(たけつめ)」と呼びます。当店でも「スカートの裾丈を短くする」サービスは、スカート丈詰めサービスと名付けております。しかしながら、「スカート丈詰め」よりも「スカートの裾上げ」と検索される方が多いようなので、このコラムでは「裾上げ」と「丈詰め」を併用しながら書かせていただきます。

※当コラムは2021年7月にリライトしております。

 

自宅での学生スカートの裾上げは、まず不可能!?

今回裾上げをご依頼いただいたのは、紺とブルーのチェック柄の制服スカートでした。
裾端に校章のようなものが刺繍されておりましたので、恐らく中学校か高校など学校で指定された女子生徒用の学生スカートだと思われます。

 

裾上げをご依頼いただいた制服スカート

裾上げをご依頼いただいた制服スカート

 

娘さんから「ママ、スカート裾上げしてよ~」とせがまれた親御さん、そして「ママがやってくれないなら自分で裾上げしよう!」と考えたチャレンジングな女子生徒のみなさん、悪いことは言わないので、自力でスカートの丈詰めを試みるのはやめておきましょう。

以下に詳しく説明しますが、あなたにプロ級の腕前と器具が無い限り、まずご自宅では正確に・キレイに仕上げることができません。当店でも自前での裾上げを失敗した後に持ち込まれる方が多くいらっしゃいますが、場合によってはやり直しができない場合もあるくらいです。スカートが台無しになっても良い方以外は、プロにおまかせすることを強くお薦めします。

 

当店のスカート丈詰めサービスは、制服スカートに限らず、全て裾端をカットして丈を短くします。従って、裾端にある刺繍は丈詰め後には無くなります。刺繍を残しながら丈詰めをしたい方は、通常サービスではない「特別対応」をご案内いたします。お直し予約前にお気軽に「お問合せ」くださいませ。

 

スカートの裾を短くするには、専用ミシンが必要!

ご自宅では学生スカートの裾上げが不可能な理由・・・1つ目は「スカートの裾上げには専用のミシンが必要」だからです!

今のご時世、「そもそも家にミシンなんて無いよ!」という方が多いかと思いますが、もしご自宅にミシンがある方でも、恐らくそのミシンだけでは制服スカートの裾上げはできません。

一般家庭に普及しているミシンは、パンツの裾上げ等に用いる表地にステッチ(縫い目)が出る「直線縫いミシン」ですが、制服スカートの裾上げには、他にも「ロックミシン」と「スクイ縫いミシン」の2種類のミシンが必要となります。

 

制服スカートの裾上げの縫製

制服スカートの裾上げの縫製

 

上記の画像は制服スカートの裾端を表側・裏側を同時に撮影したものですが、この画像に見える縫製を再現するためには、「ロックミシン」と「スクイ縫いミシン」という2種類のミシンを使用しなければなりません(「直線縫いミシン」は、裾脇にある縫い合わせ部分に使用します)。

一般の方で「ロックミシン」をお持ちの方はいらっしゃっても、「スクイ縫いミシン」をお持ちの方はまずいらっしゃいません。プロの職人しか買わないかなり高額な業務用ミシンだからです。
厳密には「スクイ縫い」は手縫いをすることで代用することができますが、よほど手縫いが得意で根気強い方でもない限り、推奨できません。学生スカートのようなプリーツスカートの裾は1周2メートル以上あることがザラだからです。笑

 

制服スカートは裾上げ後の仕上げアイロンが超重要!

ご自宅での学生スカート丈詰めを諦めた方がよい理由・・・2つ目は、「縫製後の仕上げアイロンがかなり難しい!」からです。

制服スカートのようなプリーツスカートは、裾上げ後には折り目が弱まったり、無くなってしまうことが殆どです。その為、縫製後は正しい折り目を手でつけながら、アイロンでプレスしていく必要があります。

この「折り目を作りながら、アイロンを当てる」のがとにかく難しいです。私たち洋服お直しのプロは毎日のようにこの作業をしていますが、初めての方はまずキレイに折り目を作れません。変な折り目が出来たり、ふわっとした折り目になってしまうこと必至です。また最悪の場合、強くプレスしたいが為に、生地を焦げ付かせてしまうこともあるくらいです。こうなると、これまで自力で裾上げしてきたのが全て水の泡です。

 

業務用アイロンは重たい

業務用アイロンは重たい

 

もちろん技術的な意味だけでなく、使用する器具・道具の違いも大きいです。私たちが使うアイロンは重く、強力なスチームが出る為、短い時間で強いプレスが可能です。そのため、必要以上に生地を傷めません。そしてアイロン台も「バキューム」と呼ばれる、アイロンから出る蒸気・空気を吸い込む特殊な仕様となっています。

学生スカートの仕上げアイロンは、ただの仕上げアイロンとはレベルが違います。技術と道具、どちらもが揃ってはじめて、正確に・キレイに仕上がるのです!

 

今回の学生スカートの丈詰め料金は約3,000円でした

今回のスカートのお客様がどこまで悩み、葛藤されたかは不明ですが(笑)、ご自身での丈直しをされることなく、当店にご依頼をいただきました。
今回のご利用に際して、お客様が当店にお支払いになられた料金は以下の通りです。

<お直し料金>
スカート丈詰めサービス
おまかせ仕上げ > スクイ縫い仕上げ(2,490円)
すそ幅:100cm以上割増(300円)×1回分 ※すそ全周220cm⇒すそ幅110cm
糸はずし(+300円) ※現状から5cm程度の丈詰めだったため。

<往復の送料>
お客様からお直しコムへの送料(実費) ※往路。お直しコムへの支払いはナシ
・お直しコムからお客様への送料(490円) ※復路。お届き先により異なります

以上の通り、お直し料金が約3,000円、返送料が約500円で、当店へのお支払い総額は3,500円ほどです。「高い!」と思った方、ぜひあと少しだけ読み進めてください。この価値をご理解いただけると思います。笑

 

約1週間で制服プリーツの丈がご希望の長さに!

今回のスカート丈詰めサービスで施した、「スクイ縫い仕上げ」は納期Bでしたので、当店への入荷から1週間程度でお直しを終え、お客様へお戻しすることができました。
具体的には、スカートが水曜までに当店へ入荷すれば、翌週の月曜にお客様の元へ発送いたしますので、多くのエリアでは翌日の火曜にはご希望の丈になった制服を手にしていただくことができあます。

なお、お直しコムは繁忙に関わらず、サービス毎に納期を固定化させていただいております。
「いつ出来上がるのかな~?」との不安なく、ご依頼いただけます。

 

スカート丈詰めで楽しい学生生活を!

スカート丈詰めで楽しい学生生活を!

 

「制服スカートは多くの女子中高生が、最も長い時間着用する洋服」と言えます。恐らく一生を通してみても、ここまで長時間着続けるスカートはないでしょう。

校則を違反するのはNGですが、ルール内であれば是非ご本人様が希望されるスカート丈の長さにしてあげてはいかがでしょう?今回の事例でいうと、お直しコムへのお支払いは3,500円ほど。着用1年で考えても、1日あたり10円程度の出費で、お子様の学生生活が楽しいものとなるならば、とてもお安い買い物なのではないでしょうか!?

多少の費用はかかりますが、お子様・お嬢様の青春時代のパートナーとも言える制服スカートは、気持ちの良い裾丈で履かせてあげましょう!「スカートの裾上げをしてあげたい!」と思い立った時は、学生スカート・プリーツスカートの縫製・仕上げが得意な洋服お直し専門店「お直しコム」まで!皆様のお直し予約をお待ちしております~!

 

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